免許返納後も生活圏を自由に移動できる四輪モビリティで、高齢者の新たな移動の選択肢をつくる。ラストワンマイルの解消と外出促進、その先の健康維持までつなげる地域交通モデルを共につくる自治体を募集します。※令和8年度愛知県内自治体限定
募集背景
・「閉じこもり」が要介護化の入口になる。
外出頻度が週1回以下の高齢者は、2年後に歩行障害・IADL(手段的日常生活動作)障害・認知機能障害が生じるリスクが約3倍。孤立・閉じこもり傾向のある高齢者は、そうでない高齢者に比べ死亡率が2.2倍に上がります。移動の喪失は、活動量の低下・社会的孤立・手段的自立の喪失を経て、フレイル・認知症の悪化・孤独死へと連鎖し、最終的には空き家の発生や医療・介護財政の圧迫といった地域の課題に直結します。
・移動手段の選択肢がない
70歳以上のドライバーの66%が運転に不安を抱えていますが、車を手放した後の生活圏(スーパーや病院まで平均5〜6km)を安全にカバーできる移動手段は事実上ありません。タクシーは金銭的な負担が大きく、家族の送迎は気兼ねしてしまい、自転車は転倒リスクが高く、シニアカートは時速6kmと行動範囲が限られ、段差に弱く坂も登れず荷物がつめず不便。「自動車の運転が不安」「自転車は怖い」「シニアカーでは不十分」という声に応える選択肢が空白のままです。
・行政の「縦割り」と「届かない支援」
交通部局は免許返納を促したいが代替交通は採算が合わず続かない。福祉部局の介護予防教室に来るのは意識の高い約5%の元気な方ばかりで、本当に来てほしい95%の「閉じこもり予備軍」には届かない。保健部局は年1回の健診・自己申告ではフレイルのハイリスク者の発見が遅れがち。ウェアラブル等の見守り機器は高齢者が外す・充電しないため定着しない。「移動」と「健康」が別々の部局で扱われ、一体で解決する枠組みが存在していないのが現状で、家族の介護負担のダブル・トリプルケア、空き家問題、徘徊など様々な社会問題が個人の移動の喪失に起因します。
・私たちの原点
代表の渡邉は訪問診療の現場で、数多くのご年配の方が外出をやめた後に急速に衰えていく実態に触れてきました。「どんな薬よりも、外出がいちばんの特効薬」。この臨床での確信から、私たちは車両ではなく「外出が続く状態」という予防医療を届ける会社としてCYCLERを創業しました。
募集プロジェクト概要
本プロジェクトは、免許不要(16歳以上・特定小型原動機付自転車区分)で歩道も車道も走行できる中速四輪モビリティを移動に不安のある高齢者に貸与し、その走行データからフレイルの兆候を早期に検知する「移動の処方」の効果を検証する官民共創実証です。
【ハードウェア:大学病院共同開発の中速四輪モビリティ】
・最高速度約20km/h、航続距離120km、登坂能力30°、積載量120L(冷蔵庫1台分)
・4輪・低重心設計で転倒しにくく(後転モーメントはシニアカートの約3.1倍)、屋根オプションで雨天・夏場も利用可能
・2023年末の規制緩和により実装が可能となった車両区分。ヘルメット任意、最高時速20kmのため万が一の事故でも重大化しにくい
・全国約42拠点の販売網を通じ累計約500台の納車実績。高松市・松江市・大熊町・三木市など自治体との実証も進行中
【ソフトウェア:走行データを予防医療に変換】
①日常の移動(走行頻度・距離・行動範囲)→②データ蓄積→③名古屋大学医学部附属病院と共同研究中のフレイル検知アルゴリズム→④本人・家族・自治体への早期アラート
「車に乗る」という自然な行為だけで健康リスクを検知するため、ウェアラブル端末のように外されることがなく、意識の低い大多数のシニア層を「移動」そのものでキャッチできます。
【実証で検証したいこと】
・高齢者ご本人:免許不要の車両で、外出頻度・行動範囲が本当に広がるか
・別居のご家族:走行データで日々の安心が得られ、変化の兆候に早く気づけるか
・自治体(高齢福祉):走行データがフレイル指標(体力測定・質問票)と相関し、客観的なスクリーニングになるか
・地域包括支援センター:データを起点に、アウトリーチの優先順位をつけられるか
【実証スケジュール案(2026年11月〜2027年2月の4か月間)】
・10月:事前準備(操作確認、ルートや保管場所の調査、安全個別練習)
・11〜12月:実証開始(初期の乗り寄り添いサポート、外出習慣づくり)
・1〜2月:冬期の検証(外出を控えがちな冬の外出率や効果を測定)
・3月:振り返り(本人・家族・教室運営スタッフの「生の声」を集約)
・次年度への対話(見守り・ヘルスケア・ラストワンマイルのケアなど継続的な費用分担を協議)
※まずは特定の地域で少人数(数名程度)のご希望者から開始し、導入前後の変化を丁寧に追います。
【期待される政策的メリット】
交通政策(免許返納後やバス減便地域のラストワンマイル)、介護保険・地域支援(フレイル対策、閉じこもり層へのアプローチ)、認知症施策(行動範囲の縮小や徘徊の兆候の早期気づき)、健康増進(外出継続による健康寿命の延伸)を、部局ごとの個別投資ではなく1つのプラットフォームで横断的に解決します。
【CYCLERが負担すること】
車両の用意・貸与、データ取得環境の構築、分析・評価にかかる費用は当社が負担します。
自治体の皆様にお願いしたいこと
1. 参加者の募集・紹介
地域包括支援センター、老人ホームやデイサービス、免許返納窓口、介護予防教室等を通じて、「出かけたいのに移動手段がない・不安で控えている」高齢者の方(数名程度)を一緒に募集させてください。免許の有無は問いません。
2. 評価の「場」の提供
実証の開始時・終了時に体力測定や質問票(フレイル指標)を行う会場をご提供ください。既存の介護予防事業・通いの場との相乗りを歓迎します。
3. 走行環境の調整
公共施設等での駐車・保管スペースの確保、警察・交通安全担当への周知調整をお願いします。
4. 横串の担当窓口
高齢福祉と交通政策をつなぐ担当窓口を設けていただき、月1回程度の定例会と次期展開の検討にご参加ください。
※実証にかかる車両・データ基盤・分析費用は当社が負担しますので、自治体の皆様には「場」と「人」のご協力をお願いしたいと考えています。
●ソーシャルXアクセラレーション for AICHI 最終審査会動画
企業情報
企業名:合同会社CYCLER
代表者名:渡邉 晃大
公式サイト:https://j-ecart.jp/
所在地:愛知県名古屋市中川区八熊2−16−15
設立:2024年5月
連絡先:080-5129-0168/3939cycle@gmail.com
補足資料:https://canva.link/ze0muz3kr0idn7t
【事業内容】
免許不要の中速四輪モビリティと、走行データを活用した予防ヘルスケアサービスを組み合わせ、移動に不安のある高齢者の「外出が続く状態」を処方する事業。
ミッション:「外出を、健康と尊厳の処方箋に。」
【体制・パートナー】
・渡邉 晃大(代表):千葉大学医学部卒。訪問診療医として高齢者の生活実態に日々触れる現役の医師
・津坂 章仁(マーケティング戦略):東京大学大学院情報理工学系研究科卒、リクルートホールディングス出身
・桑田 正和(顧問):日本初の国産車「アツタ号」を開発したノーリツ代表。明治創業140年の製造ノウハウとモノづくり業界のネットワーク
・杉下 明隆(名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部):フレイル検知アルゴリズムの共同研究
・富士通株式会社:ヘルスケア領域での業務提携(データ基盤)
【実績】
・高松市・松江市・福島県大熊町・兵庫県三木市など自治体との実証実験を実施・進行中
・兵庫県との協定、Japan Mobility Show 2026・Japan Healthcare Venture Summit 2026への出展決定
・ソーシャルXアクセラレーション for AICHI 2026 ファイナリスト
実施スケジュール(予定)
2026年9月24日 募集開始
2026年10月21日 募集締切
2026年10月下旬 採択自治体決定
2026年11月以降 プロジェクト開始
応募条件
提出先:gyaku-propo@socialx.inc
その他留意事項
ご提出いただいた情報は、採択の検討及び、今後のサービス開発・提供などを目的として、合同会社CYCLERおよび株式会社ソーシャル・エックスの各関係者の間で共有させていただきます。
締め切り後、企画内容に関して合同会社CYCLERから個別に問い合わせさせていただく可能性がございます。
応募をご検討いただける場合は、以下記載の照会先にメールにてご連絡ください。
エントリーシートの雛形をお送りします。
質問やご相談は随時受け付けておりますのでお気軽にご連絡ください。
照会先:gyaku-propo@socialx.inc